小惑星アポフィスは、2029年4月13日に地球へ非常に接近する予定です。
ただし、NASAやESAはこの接近について、地球へ衝突するものではなく安全に通過すると説明しています。
一方で、アポフィスほどの大きさの小惑星が事前に軌道を把握された状態で地球近くを通過する機会は非常に珍しく、ESAのRamsesやNASAのOSIRIS-APEXなどによる観測計画が注目されています。
この記事では、アポフィスの接近が本当に危険なのか、ESA・JAXA・NASAが何を調べようとしているのかを、公式情報をもとに整理します。
この記事のポイント
- アポフィスは2029年4月13日に地球へ非常に接近する
- NASAとESAは2029年の接近について「安全に通過する」と説明
- ESAのRamsesは接近前からアポフィスを観測する計画
- NASAのOSIRIS-APEXは接近後の変化を調べる予定
- JAXAはRamsesミッションに機器・打ち上げ面で協力する動きがある
この記事でわかること
- ESAとJAXAが協力する内容と背景
- アポフィスの2029年接近と安全性
- Ramses・OSIRIS-APEXの観測計画
- 惑星防衛研究への意義
ESAとJAXAが小惑星アポフィス探査で協力へ
ESAとJAXAが小惑星アポフィス探査で協力するというニュースのポイントを紹介します。

出典:ESA「ESA and JAXA deepen collaboration in planetary defence」https://www.esa.int/ESA_Multimedia/Images/2026/05/ESA_and_JAXA_deepen_collaboration_in_planetary_defence
①協定で決まった内容
ESAとJAXAは、プラネタリーディフェンスと呼ばれる分野で協力を深める覚書を結びました。
プラネタリーディフェンスとは、地球に近づく小惑星などを早く見つけ、軌道や危険性を調べ、必要な場合に備える取り組みのことです。
今回の協力の中心になるのが、ESAの小惑星探査計画RAMSESです。
RAMSESは、2029年に地球へ接近する小惑星アポフィスへ向かい、接近前後の変化を観測する計画となっています。
地球にかなり近づく小惑星を、国際協力で詳しく調べるという点が、今回のニュースで特に大きな注目ポイントです。
ココがポイント
ESAとJAXAの協力は、単なる宇宙探査ではなく、将来の地球防衛につながる研究として注目されています。
②RAMSES計画が注目される理由
RAMSES計画が注目される理由は、アポフィスが地球のすぐ近くを通るタイミングで観測できるからです。
ESAによると、RAMSESは2028年に打ち上げられ、2029年4月のアポフィス接近前に小惑星へ到着する計画です。
小惑星が地球に近づくと、地球の重力によって形や表面、自転の動きが変わる可能性があります。
その変化を接近前と接近後で比べられる機会はかなり貴重で、まさに自然が用意した大規模な実験のようなものです。
宇宙のニュースは少し難しく感じますが、地球の近くで起きる珍しい現象を直接調べる計画と考えると、身近に感じられます。
③JAXAが担う役割
JAXAはRAMSES計画で、重要な機器や打ち上げ面で協力する予定です。
ESAの発表では、JAXAが軽量太陽電池パドル、赤外線カメラ、H3ロケットによる打ち上げを提供する内容が示されています。
日本は「はやぶさ」「はやぶさ2」などで小惑星探査の実績があり、小さな天体を調べる技術に強みがあります。
今回の協力でも、日本の技術が国際的な地球防衛ミッションに生かされる点は注目されています。
JAXAの小惑星探査の経験が、世界規模の安全対策につながる流れは、惑星防衛の観点からも重要な動きです。
参考:ESA「Ramses – ESA's mission to asteroid Apophis」 / JAXA/ISAS「ESA and JAXA to launch the Ramses mission to observe Apophis」
小惑星アポフィスは2029年に地球へ接近する
小惑星アポフィスは2029年に地球へ接近するとされています。
①最接近は2029年4月13日
小惑星アポフィスが地球へ最接近するのは、2029年4月13日です。
ESAによると、アポフィスは地球表面から約3万2,000kmの距離まで近づく見込みです。
約3万2,000kmと聞くと遠く感じますが、宇宙のスケールではかなり近い距離になります。
静止軌道の人工衛星よりも近い距離を通過するとされていて、ニュースとして注目される理由も納得できます。
ただし、現時点で衝突の心配はないと説明されているため、怖がりすぎなくて大丈夫です。
②地球から約3万2,000kmまで近づく見込み
アポフィスは、地球から約3万2,000kmまで近づくとされています。
ESAは、アポフィスの大きさをおよそ375mと説明しています。
大きな小惑星がここまで近づく機会はとても珍しく、科学者にとっては絶好の観測チャンスです。
しかも、条件が良ければ肉眼で見える可能性もあるとされ、一般の人にとっても注目しやすい天文イベントになります。
宇宙の話題が研究者だけのものではなく、世界中の人が空を見上げるきっかけになるところは、宇宙科学の裾野の広がりを示しています。
③衝突の心配はないとされる理由
アポフィスは過去に「地球へ衝突する可能性があるのでは」と注目された小惑星でした。
しかし、その後の観測によって軌道の予測精度が上がり、2029年の接近で地球に衝突する心配はないとされています。
今回のRAMSES計画も、アポフィスを危険視してパニックになるためのものではありません。
むしろ、将来もし本当に危険な小惑星が見つかったときに、どう備えるかを学ぶための前向きな研究です。
ニュースでは「小惑星が接近」と聞くとドキッとしますが、正確な観測と国際協力が進んでいるという事実は、科学観測の進歩を示しています。
ココに注意
アポフィスは地球へ近づきますが、2029年の接近で衝突する心配はないとされています。
不安をあおる情報ではなく、公式発表を確認することが大切です。
小惑星アポフィスの観測が世界で注目される理由
小惑星アポフィスの観測が世界で注目される理由を紹介します。

出典:ESA「Ramses mission poster」https://www.esa.int/ESA_Multimedia/Images/2025/12/Ramses_mission_poster
①小惑星アポフィスの大きさ
アポフィスは、およそ340mから375mほどの大きさとされています。
東京タワーに近い規模の天体が地球の近くを通ると考えると、、その規模がわかります。
小惑星は岩石や金属などでできた天体が多く、地球の歴史や太陽系の成り立ちを知る手がかりにもなります。
アポフィスの観測では、形や表面の状態、自転の変化などを詳しく調べることが期待されています。
アポフィスは単なる宇宙の石ではなく、地球防衛や惑星科学のヒントを持つ大事な天体として見られています。
②地球の重力で起きる変化
アポフィスが地球に近づくと、地球の重力によって小惑星に力がかかります。
その影響で、表面の砂や岩が動いたり、自転の状態が変わったりする可能性があります。
RAMSESは、接近前後のアポフィスを観測し、地球の重力がどのような変化を起こすのか調べる計画です。
小惑星の内部が固いのか、もろいのか、表面がどれくらい動きやすいのかを知ることは、将来の防災研究にも役立ちます。
小惑星の性質を知ることは、もし危険な天体の軌道を変える必要が出たときの大切な基礎データになります。
③将来の防災研究に役立つ可能性
今回の観測は、未来の地球防衛に役立つ可能性があります。
危険な小惑星が見つかった場合、早く発見し、正確に軌道を予測し、必要なら軌道を変える技術が求められます。
そのためには、小惑星がどんな構造で、外から力を受けたときにどう反応するのかを知る必要があります。
RAMSES計画は、そうした知識を実際の天体で得られる貴重なチャンスです。
アポフィスの接近は少しドキッとする話題ですが、地球を守る研究が進むきっかけになると考えると、惑星防衛研究の前向きな取り組みです。
参考:NASA Science「Apophis」 / NASA Science「Apophis Facts」
NASAのOSIRIS-APEXも接近後のアポフィスを観測する予定
アポフィスの観測計画は、ESAのRamsesだけではありません。NASAも独自のミッションでアポフィスに接近する予定です。
OSIRIS-APEXは、小惑星リュウグウから試料を持ち帰った探査機OSIRIS-RExを改称・再活用した拡張ミッションです。
NASAの公式説明によると、OSIRIS-APEXはアポフィスが2029年に地球へ接近した後、小惑星へ接近して表面や自転などへの変化を調べる計画です。
RamsesとOSIRIS-APEXは観測タイミングが異なります。Ramsesは接近前から同行して変化を記録し、OSIRIS-APEXは接近後に合流して変化の結果を調べます。
参考:NASA Science「OSIRIS-APEX」 / NASA「OSIRIS-APEX – renamed for new journey」
主な観測ミッションの比較
| ミッション | 機関 | 主な目的 | 観測タイミング |
|---|---|---|---|
| Ramses | ESA(JAXA協力) | 接近前後のアポフィスを観測し、地球重力による変化を調べる | 接近前〜接近中 |
| OSIRIS-APEX | NASA | 接近後のアポフィスに接近し、表面・自転・軌道などの変化を調べる | 接近後 |
| 地上観測 | 世界各地の望遠鏡・レーダー | 軌道・明るさ・形状などを観測する | 接近前後 |
アポフィスをめぐる主な時系列
| 時期 | 出来事 | ポイント |
|---|---|---|
| 2004年 | アポフィスが発見される | 当初は将来の接近リスクが注目された |
| 2028年4月(目標) | ESA Ramses打ち上げ目標 | 2029年接近前に到着するためのタイムライン |
| 2029年2月(計画) | Ramsesがアポフィスへ到着する計画 | 接近前から小惑星の状態を観測する |
| 2029年4月13日 | アポフィスが地球へ非常に接近 | 安全に通過すると説明されている。地表から約32,000km |
| 接近後 | OSIRIS-APEXが小惑星へ接近 | 地球重力によって起きた変化を調べる |
小惑星アポフィスとESA・JAXAの基本情報
最後に、小惑星アポフィスとESA・JAXAの基本情報を整理します。
①アポフィスはどんな小惑星なのか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 小惑星アポフィス |
| 正式番号 | 99942 Apophis |
| 大きさ | およそ340m〜375m規模 |
| 最接近 | 2029年4月13日 |
| 地球からの距離 | 地表から約3万2,000km |
| 注目理由 | 大型小惑星として非常に近い距離を通過するため |
アポフィスは、地球に近づく小惑星の中でも特に注目されてきた天体です。
2029年の接近では衝突の心配はないものの、非常に近い距離を通るため、世界中の研究者が観測に力を入れています。
観測によって、小惑星の表面や内部構造、地球重力による変化などがわかる可能性があります。
ニュースとしては少し専門的ですが、要するに地球のすぐ近くに来る小惑星を、世界で協力して調べるという機会でもあります。
宇宙の研究が、地球で暮らす人々の安全にもつながっているところが、惑星防衛研究の意義のひとつです。
②ESAとJAXAの基本情報
| 機関 | 主な内容 |
|---|---|
| ESA | 欧州宇宙機関。欧州各国が参加する宇宙開発機関。 |
| JAXA | 宇宙航空研究開発機構。日本の宇宙開発を担う機関。 |
| 今回の協力 | RAMSES計画を中心に、アポフィス観測や地球防衛分野で連携。 |
| 注目点 | 日本の探査技術と欧州のミッション運用が組み合わさること。 |
ESAとJAXAは、これまでも宇宙分野で協力してきた実績があります。
今回のアポフィス探査では、地球防衛という世界共通のテーマで連携がさらに進む形になります。
宇宙探査というと遠い星の話に感じますが、小惑星の接近は地球にも関係するリアルなテーマです。
だからこそ、国や地域を超えて協力する姿勢が大切になります。
2029年に向けて、ESAとJAXAの取り組みは今後もニュースで取り上げられる機会が増えていくでしょう。
まとめ
- ESAとJAXAは小惑星アポフィス探査で協力する
- 中心になるのはESAのRAMSES計画
- アポフィスは2029年4月13日に地球へ接近する
- 地球から約3万2,000kmまで近づく見込み
- 2029年の接近で衝突の心配はないとされている
- 観測データは将来の地球防衛研究に役立つ可能性がある
ESAとJAXAのアポフィス探査協力は、宇宙科学と惑星防衛が交わる注目の取り組みです。
アポフィスは2029年4月13日に地球へ非常に接近しますが、NASAとESAはこの接近について安全に通過すると説明しています。
一方で、これほどの大型小惑星が事前に軌道を把握された状態で地球近くを通過する機会は極めて珍しく、RamsesやOSIRIS-APEXによる観測データは将来の惑星防衛研究に重要な基礎情報を提供することになります。
参考:ESA「Apophis」 / 参考:NASA Science「Apophis」
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